本日のご相談
どうやって点を取ればいいのでしょうか?
本記事では、私が考える、現代卓球でのカットマンの勝ち方をお伝えします。
目次
この記事を書いている私は、卓球歴30年程度のカットマンです。
大学生の時に関東学生卓球連盟会長杯で優勝。
最近も、都道府県の社会人大会個人戦優勝(2回)等の経験があります。
大学卓球部や一般の方向けの指導歴(コーチ)もあります。
著者のバックカット
(プライバシー保護のためぼかしています)
(音を出すことも可能です)
はじめに:時代の変化
25年位前(1995年頃)と比べると、今の時代、多くのカットマンが勝てません。
その理由を簡単にご説明するため、最初に、少しだけ卓球の時代の変化についてお話しさせてください。
急ぎの方は次の章にお進みください。私が卓球を始めたのは30年位前ですが、20年位前までは、ボールは今より小さく、直径38mm(今は40mm)で、素材はセルロイドでした(今はプラスチック)。
そのため、当時はものすごく回転がかかり、(極論すれば、)回転をめちゃくちゃかければ、それだけで得点できた時代でした。
さらに、粒高ラバーは、フェイントロングというものがあり、私の経験では、相手がこちらのバックに一度全力ドライブを打ったら、それをちょこっとバックカットしておけば(スイングスピード不要!)、カットが勝手にめちゃくちゃ切れたので、相手は連続ではドライブできませんでした。
そのため、
「普通にサーブして、普通にツッツキして、普通にカットして、浮いたら攻撃する。」
これだけで、それなりに勝つことができました。
(まぁ、38mm球は、それだけ扱いが難しかったということでもあります。)
ですが、今の時代、この卓球では、上位進出は困難です。(特に男性の場合は。)
それは、今のボールはそんなに回転がかからず、ボールの扱いが簡単になったので、カットに少々回転がかかっていても、相手は、そんなことはお構いなしに、何度でも強ドライブを打てるからです。
それでは、もうカットマンは勝てないのか?
そんなことはありません。
本記事では、私が考える、「現代卓球で、カットマンが勝つ方法」を示します。
必殺サーブを持つ【最重要】
必殺サーブを持ち、サーブで得点を取りましょう。
ぶっちゃけこれが最重要です。
理想は、「全てサービスエース」です。
どうやったら必殺サーブを持てるようになるのか?
「卓球の練習時間が少ない人が強くなるための練習内容【保存版】」という記事の「サーブ練の重要性:必殺サーブを作ろう!」という章が参考になると思います。
3球目以降の、絶対にミスしない、強い連続攻撃【必須】
自分のサーブの後、3球目、5球目...は、絶対にミスしない、強い、連続攻撃をします。
これは必ず身につけましょう。
ポイント
- 3球目とそれ以降は、絶対に攻撃をすること
- その攻撃は(永遠に)絶対にミスしないこと
- 威力があること
これはハメ技です(格闘ゲームのコンボのようなものです)。
相手は絶対に嫌がります。
ですので、必殺サーブが最重要なのです。
それは、相手が「自分のレシーブは少々甘くても入れておけばOK」と思うからです。
ですので、強い連続攻撃は必須なのです。
必ず役に立ちます。
また別記事として掲載予定です。
レシーブ攻撃:試合前半はここがチャンス!【ここだけの話】
攻撃型の選手は、攻撃型と試合をする時は、先に攻撃されないように気をつけてサーブを出します。
ですが、カットマンに対しては、自分が攻撃することばかり考えて、レシーブから攻撃されることをあまり想定していません。
ですので、特に試合前半は、結構スキだらけで、おいしいです。
(ですので、ここだけの話です。)
以下、具体例です。
- フォアサイドに長く来たサーブは当然フォアドライブで全力で打ち抜きに行く(ただし、ミスしないことが最優先)。
- バックサイドに長く来たサーブも可能な限り、フォアドライブで全力で打ち抜きに行く(ただし、ミスしないことが最優先)。
- バックサイドに長く来たサーブが速すぎてフォアドライブが打てないなら、自分のバック面が裏か表なら、バックに来たサーブはバックハンド攻撃し、そこからドライブ型として戦う。
- バック前の短いサーブは、バックハンド攻撃する。自分のバック面が粒高なら、プッシュ。そしてそこから連続攻撃。
- フォア前の短いサーブは、払いかブチ切れツッツキかストップし、そこからドライブ型として戦う。
その後は深追いしすぎないこと。
しすぎると、攻撃力の差で失点率の方が高くなります。
ただし、相手の攻撃力、適応力や流れによります。
得点率の方が高いなら、遠慮なく攻撃を続けましょう。
よくあるツッコミ?!
「いやいや、こいつ、頭おかしいんちゃうか?」
「もはや、カットマンである意味ないやろ!」
「というか、そもそも、そんなの戦術ちゃうやろ!」
と思われるかもしれません。
確かに、私自身、カットマンですが、一回もカットせずに試合が終わることが半分位かなと思います(相手によって戦術を変えています)。
チームメートからは、あまり(全然??)カットマンとは思われてません。笑
しかし、カットマンである必要がないかと言われると、実はそうでもないのです。
カットマンである最大のメリットが次の項目で、これが、私が思う、カットマンの醍醐味であり、会場を沸かせるプレーであり、私の得意武器であり、私の真の心の支えです。
変化カットからの攻撃【これでガチ勝負!】
上述の攻撃だけで勝てる相手なら、それで勝ってしまえばよいのですが、格上相手の場合は、まぁ、そう簡単にはいきません。
ここで初めてカットマンであることが活きてきます。
(^^;
『変化カットからの攻撃』です。
これでガチ勝負です。
『ここからが本番』です。
基本的には以下の2パターンです。
- ナックルカットからの攻撃
- ブチ切れカットからの攻撃
やってみればわかると思いますが、実際のところ、この攻撃は、意外と一発で決まることが多いと思います。
(少なくとも中級者クラスまでは)
ですが、連打の準備はしっかりとしておきましょう。
注意点
- 変化カットの部分が一番重要です。肝心要です。変化はわからないように行いましょう。
- どちらのパターンでも、攻撃は、フォアハンドでもバックハンドでも、どのコースにでもできるように練習しておきましょう。
- 攻撃は、絶対にミスしないように十分練習しておきましょう。
また、変化カットも、攻撃も、できるだけ台の近くで行いましょう。
その理由は以下の記事でご紹介しています。
-
カットマンが卓球台の近くでプレーした方が良い5つの理由
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バックが粒高なら、プッシュ攻撃【必須】
バックに粒高を貼っているなら、相手のツッツキやストップに対する粒高でのプッシュ攻撃を必ず覚えましょう。
上記の「変化カットからの攻撃」の一つのパターンとしても使えますし、相手の短い下回転サーブに対しても使えます。
相当切れてる下回転に対してもできると思います。
ぶっちゃけ、効果絶大だと思います。
私の体験談
私はここ5年間位で、カットマンに3回だけ、試合で負けました。
そのうち2試合では、この、粒高プッシュにやられました。
(ですが、もう慣れたので、次からは狙い打ちます!
↑負けず嫌い 笑)
いずれにしても、すぐには慣れられないので、試合結果を左右するほど、効果絶大だということの証明です。
カットで粘り切る【最終手段】
カットで粘り切るのは、20年以上前ですと、カットマンの主流の戦術でした。
ですが、私の考えでは、現代卓球では、これは最終手段です。
基本的には、上述の、カットからの攻撃まででケリをつけましょう。
ですが、やはりこちらはカットマン用の弾まない用具を使っていますので、攻撃勝負だけで格上の攻撃型相手に勝ち切るのは容易ではありません。
また、ある程度のレベルまでは、変化カットからの連続攻撃までで用が済むのですが、レベルが上がると、相手の攻撃が非常に厳しく、こちらの体勢を大きく崩され、変化カットもしづらいという状況もあると思います。
その場合は、どうにか相手の強ドライブをカットで返球することに専念せざるを得ないこともあります。
その場合は、『とりあえずは』返球することに専念します。
ですが、試合の最後の方になれば、ある程度、相手の攻撃にも慣れてくると思います。
相手の攻撃に慣れてきたら、できれば、また変化カットからの攻撃をすればOKです。
(^^;
筋トレが【必要】
ここまであっさりと「◯◯◯をやりましょう!」と簡単に書いてきましたが、当然ながら、それぞれの練習を積み重ねないと簡単にはできません。
そして、さらに、現代卓球では、筋トレが重要だと思っています。
それは、ボールがかつてよりも重く(硬く?)なっており、体に相当な負担がかかるからです。
ボールがプラスチックに変わる直前まで世界チャンピオンだった張継科選手が、プラボールに変わって、肩を痛めているシーンを見たことがある人は多いと思います。
プラボールで攻撃するには、強靭な肉体が必要になります。
下半身だけでなく、上半身や体幹もしっかりと筋トレしましょう!
補足説明:本記事の項目が本当に重要なのか?必要性とメリット
まず、私はカットマンですが、カットマンと試合をする時、カットをすることはほとんどありません。
なぜなら、現代卓球では、基本的に、(ドライブ)攻撃をした方が有利だからです。
特に私は30年もカットマンをしてますので、カットマンは何をされたら嫌なのか、もういい加減わかりますので、延々と嫌がらせをし続けます。
(チームメイトからも、カットマンに対してだけは一目置かれているようです。)
そんな私の視点からして、嫌なのは、本記事で書いた各項目です。
なぜなら、気が抜けないからです。
記事冒頭の、普通にサーブして、普通にツッツキして...は、攻撃型からすると、気を抜いてても、ミスせずに入れておけば、攻撃されることもないのでOKで、打ちたいボールだけを選んで打てばいいだけなので、リスクもないですし、ぶっちゃけ非常に楽なのです。
ですので、それでは当然、カットマンは勝てません。
ですが、本記事に書いたことをされたら、全く気が抜けないどころか、どうにもできなくなります。
以下、想像してみてください。
対戦相手である攻撃型からすると、サーブは必殺すぎてとれません。
どうにか返したとしてもその後、ミスしない、強烈な攻撃連打が待っています(ハメられてます)。
こちらがサーブを出しても、先手を取られて、どうやっても劣勢に立たされます。
仮にどうにかドライブまで持って行けたとしても、カットの変化が分からず、攻撃を食らいます。
(極めて難しいですが)それをどうにか凌いだとして、自慢の強打まで持って行ったとしても、打っても打っても返ってきて、点になりません。
挙げ句の果てに、自慢の強打に対しても変化カットをされ、攻撃を食らいます。
もう、いい加減、嫌になるでしょう?
完全お手上げです。
これが私の考える、現代のカットマンの戦術です。
まとめ
私の考えるカットマンの戦術は、以下のとおりです。
これで現代卓球でもカットマンは勝てると信じています。
私自身は、今はバックが裏ソフトなので、粒高プッシュはしませんが、それ以外の事は全て実行しています。
そしてこれらによって、確かな手応えを感じています。
なお、私は、この戦術の効果を最大化するため、以下の記事に書いたラバー(ファスタークG-1、Apollo5)とラケット(TILUNA)を使っています。
ぶっちゃけ、戦術の効果を大きくするには、用具選択は非常に重要です。
(※本記事冒頭の動画では、バック面はパチスマ2という表ソフトです。)
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今回の記事が皆様の勝利への道標として役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。