本日のご相談
(もしくは、大人になってから、卓球を始めました。)
卓球には戦型っていうのがあるみたい。
でもどうやって選べばいいの?
というか、そもそもどんな戦型があるの?
どれを選んだら強くなれるの?
向き不向きは?
試合で勝てる戦型を知りたいです。」
本日は、このようなご相談にお答えします。
目次
この記事を書いている私は、卓球歴30年程度です。
大学生の時に関東学生卓球連盟会長杯で優勝。
最近も、都道府県の社会人大会個人戦優勝(2回)等の経験があります。
大学卓球部や一般の方向けの指導歴(コーチ)もあります。
おすすめの戦型は「シェーク攻撃型」です
一番のおすすめは「シェーク攻撃型」です。
それは、試合で勝ちやすいからです(本当に上限がありません)。
世界ランキング10位以内の選手内訳(男子;2020年1月時点)
- シェーク攻撃型:9名
- ペン攻撃型:1名(最高位は2位の中国の許 シン)
- カットマン:0名(最高位は36位のドイツのフィルス)
世界ランキング10位以内の選手内訳(女子;2020年1月時点)
- シェーク攻撃型:10名
- ペン攻撃型:0名(最高位は44位のルクセンブルグの倪 夏蓮(ただし粒高、57歳!))
- カットマン:0名(最高位は17位の佐藤 瞳)
全日本選手権(2019年1月)16位以内の選手内訳(男子)
- シェーク攻撃型:16名
- ペン攻撃型:0名(最高位はベスト64の吉田 海偉)
- カットマン:0名(最高位はベスト64の村松 雄斗と英田 理志)
全日本選手権(2019年1月)16位以内の選手内訳(女子)
- シェーク攻撃型:14名
- ペン攻撃型:0名
- カットマン:2名(5位の佐藤 瞳と10位の橋本 帆乃香)
「シェーク攻撃型」とは
「シェーク攻撃型」の選手は、シェークハンドのラケットを使い、ドライブやスマッシュなどによる攻撃的なスタイルの卓球をします。
フォア面には多くの場合、裏ソフトラバーを貼ります。
バック面には、男子は裏ソフトラバーを貼る選手が多く、女子の場合は、裏ソフトラバー、もしくは、表ソフトラバーを貼る選手が多いです。
代表的な選手
※世界ランキングは2020年1月時点。
日本男子選手
海外男子選手
日本女子選手
海外女子選手
しかし、「カットマン」と「ペンホルダー攻撃型」もアリです!
基本的に多くの人にはシェーク攻撃型をおすすめするのが無難なのですが、当然ながら、向き不向きの個人差があります。
そこで以下では、「カットマン」と「ペンホルダー攻撃型」の特徴と向いている人(おすすめの人)を説明します。
「カットマン」とは
「カットマン」は、シェークハンドのラケットを使い、カットと呼ばれる、上から下にスイングする打法で、守備的なスタイルの卓球をします。
フォア面には裏ソフトラバーを貼る選手がほとんどです。
バック面は、かつては粒高ラバーを貼る選手がほとんどでしたが、近年は、表ソフトラバーを貼る選手も増えてきており、中には、裏ソフトラバーを貼る選手も出てきています。
また、守備的なプレーだけでなく、積極的に攻撃をする選手が増えてきています。
代表的な選手
※世界ランキングは2020年1月時点。
日本男子選手
海外男子選手
日本女子選手
海外女子選手
カットマンのメリット
- 一旦勝てるようになれば、格下相手には安定して勝てます。ですので、団体戦では重宝されます。
- 一旦勝てるようになれば、試合会場で確実に目立てます。
- 最近の若い方々(大体25歳以下)は、カットマンに慣れている人が少ないので、実は結構試合で勝ちやすいです。
- レベルを問わず、カットマンを苦手にしている人が一定の割合でいます。ですので、格下相手に安定して勝てるだけでなく、自分よりもかなり格上の選手にも勝てたりします。(カットマン相手に苦い思い出を持っている攻撃型の選手は結構多いです。)
- できる戦術の幅が広いので、相手のタイプに応じて、様々な対策が打てます。
- 攻撃が苦手でも、勝てるようになります。(そのような理由でカットマンになり、日本代表や全日本選手権で上位に入った選手もいます。)
- 大きく動くのでちゃんと練習していれば確実にやせられます。
カットマンのデメリット
- 一般的には、試合で勝てるようになるまで、他の戦型よりも時間がかかります。
- 攻撃型よりも多くの技術を覚える必要があります。
- 前後左右に大きく動く必要があります(つまり、大きなフットワークが必要です)。
- 相手に攻撃される頻度が高いので、攻撃されてもめげない根性が必要です。(ですが、練習しているうちに根性ができてくる気がしますので、人生においてはむしろ大きなメリットかもしれません。)
- 50歳以上の選手は、カット打ち(カットに対する攻撃)が比較的上手なので、結構打ち込まれます。(日本式ペンホルダーの選手が多いです。)
カットマンがおすすめの方
- 憧れのカットマンの選手がいて、自分もそのようになりたい方
- 試合会場で目立ちたい方
- 腹黒い方
- 回転をかけるのが好きな方
- 忍耐力のある方
- 忍耐力を鍛えたい方
- 背の高い方
- 攻撃が苦手な方、攻撃で周りの人よりも上に行ける気がしない方
- 不器用な方(後述の前陣粒高使いもおすすめです。)
「ペンホルダー攻撃型」とは
ペンホルダーのラケットを使い、攻撃的なスタイルの卓球をします。
多くの選手がフォア面に裏ソフトラバーを貼り、近年は裏面にも裏ソフトラバーを貼る選手が増えてきています。
代表的な選手
※世界ランキングは2020年1月時点。
日本男子選手
海外男子選手
ペンホルダー攻撃型のメリット
- 手首を使いやすいので、サービスや台上処理がとてもやりやすく、ラリーで先手を取りやすいです。
ペンホルダー攻撃型のデメリット
- 裏面にラバーを貼っていない場合、バックハンド攻撃の難易度が高いため、フォアに大きく振られた後に、バックに振られると、攻撃しづらいです。(ですので、裏面にラバーを貼ることをおすすめしますが、シェークと比べると、バックハンド攻撃の難易度が高いと思います。)
ペンホルダー攻撃型がおすすめの方
- 器用な方(特に男性)
- 憧れのペンホルダー攻撃型の選手がいて、自分もそのようになりたい方
超個性派なら、「前陣粒高使い」や「前陣アンチ使い」も
卓球台のすぐ近く(前陣)でプレーして、粒高ラバー(やアンチラバー)を使うプレーもあなどれません。
前陣粒高使いのメリット
前陣粒高使いのデメリット
- 致命的なデメリットは思いつきません。(ですので結構おすすめです。ただし、反対の面には回転のかかるラバー貼らないと、自分からほとんど回転をかけることができませんので、貼ることをおすすめします。)
よくある質問
なんで「シェーク攻撃型」が勝ちやすいの?
ペンホルダーの選手は、相手にフォアサイドに大きく振られた後にバックサイドに打たれると、攻撃的なプレー(特にドライブ)が難しいのです。
ただし、ペンホルダーでも、ラケットのバック面にもラバーを貼り、そのラバーを使った打法(裏面打法)を練習すれば、その限りではありません。
ただ、裏面打法はやや難易度が高いので、やはりペンホルダーのラケットを使うのは、(試合で勝つ事を考えると)器用な人の方がよいかもしれません。
一方、カットマンに関しては、かつてボールが今よりも小さく(今は直径40mm、以前は38mm)、かつ、セルロイド製(今はプラスチック製)だった時は、今よりもボールの扱いが難しく、下回転が強くかかったカットをドライブで持ち上げるのは非常に大変でした。
今でも上級者のカットは非常に回転がかかっていて持ち上げるのは大変ですが、かつてのボールと比べると難易度が大きく下がりました。
そのため、カットマンの優位性がその分低下しました。
ですが、ボールの扱いが簡単になったのはカットマンも同じですので、かつてよりも攻撃がやりやすくなり、また、カットもより簡単になりました。
ですので、攻撃を増やす等、工夫次第でカットマンが活躍することは可能です。
現に世界や全国大会で活躍している選手もいます。
後から戦型変更は可能ですか?
可能です。
ただし、何十年もやってからだと、若干もったいないかもしれません。
ですが、それでもそのパターンでペンからシェークに転向され、全日本マスターズで何度も優勝している選手もおられます。
憧れている選手がいて、その選手のようになりたいです。
その選手と同じ戦型でよいと思います。
上記の通り、後から変更も可能です。
私、すぐ勝ちたいの。
おすすめ順:前陣粒高(シェークでもペンでも。ただし、反対の面には回転のかかるラバー)>シェーク攻撃型か、ペン攻撃型>カットマン。
(カットマンは比較的遅咲きです。
ただし、花開いた後は、試合会場で確実に目立てます。)
私、楽に勝ちたいの。
おすすめ順:前陣粒高(シェークでもペンでも。ただし、反対の面には回転のかかるラバー)>シェーク攻撃型>カットマンか、ペン攻撃型。
私は不器用だけど、実は根性はまぁまぁあるかも。。。?
カットマン、もしくは前陣粒高をおすすめします。
私、実は腹黒いの。。。
カットマン、もしくは前陣粒高をおすすめします。カットマンは色んな戦術を使えます。
私、実は目立ちたがりなの。。。
カットマンをおすすめします。カットマンは確実に目立ちます。カットマンになった理由は内緒にしておきましょう。
私、身長高くて、実は手足がまぁまぁ長いの。。。
カットマンをおすすめします。
私は根性をつけたいの。。。
カットマンをおすすめします。
私は根性とか嫌いなの。。。
シェーク攻撃型をおすすめします。
私、器用だけど。。。?
ペンホルダーもアリかもしれません。
サービス、レシーブの台上処理(ストップ、払い)等で能力を発揮して、先手を取って、有利な試合運びができると思います。
カットマンもいいと思います。
器用だと、カットマンでも比較的すぐに勝ち始められるようになると思います。
(シェーク攻撃ももちろんアリです。
シェーク攻撃でも器用な選手はいます。)
私、ペンの方が面白そう。
ペンホルダーでもよろしいと思います。
上記の通り、ご希望であれば、後から変更も可能です。
ペンの方がかっこいい!
ペンホルダーでもよろしいと思います。
上記の通り、ご希望であれば、後から変更も可能です。
試合で勝てるようになるためには「用具選び」と「練習方法」が重要です
試合で勝てるようになるためには「用具選び」と「練習方法」が大変重要です。
これらに関しては、今後わかりやすくご説明するページを順次作成しますので、ぜひお楽しみに!
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